はじめに
近年、日本の不登校問題はかつてない規模で拡大しており、大半の方は、「不登校」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
一方で、自分自身や身近な家族、親として、不登校にどのように向き合えば良いのか、具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回の記事が、不登校について自分事として考えるきっかけになればと思います。
不登校のタイプと対応
不登校の原因は多岐に渡るため、まずは不登校の特徴を知ることがより良いサポートに繋がると言えます。
文部科学省の「不登校状態が継続している理由」をもとに分類した不登校の6つのタイプとそれぞれへの対応について紹介します。
1.学校生活上の影響による不登校
いやがらせをする生徒の存在や、教師との人間関係等、学校生活上の影響から登校出来ないケースです。
学業不振が原因の場合、勉強への自信を取り戻す手伝いが必要となります。
人間関係が原因の場合は、学校とも連携し、居場所や人間関係の改善を目指します。
孤独感や学校での失敗体験から自信を失っていることも多いため、家庭内で安心して過ごせる環境を整え、本人のペースを尊重することが大切です。
2.あそび・非行による不登校
遊ぶためや非行グループに入っているなどの理由から登校しないケースです。
この場合、学校のルールや勉強に縛られるよりも仲間との時間や娯楽を優先したいという気持ちが強いことが特徴です。
また、学校生活への不満や失敗体験などが影響していることもあります。
対応としては、まず、あそびや非行を求める背景として、本人がどんな想いを抱えているかに考えを巡らせる必要があります。
本人の人格を否定することなく、抱えている想いに寄り添う姿勢が重要となります。
3.無気力による不登校
無気力でなんとなく登校しない、強く催促すると登校するものの、長続きしないというケースです。
失敗経験の積み重ねや心身の疲労などが影響していることが多いため、しっかりと休息を取れる環境を整え、エネルギー回復を待つ必要があります。
4.情緒混乱による不登校
登校の意志はあるが身体の不調から登校出来ないなど、不安を中心とした情緒的な混乱によって登校出来ないケースです。
分離不安や優等生としてのプレッシャーが影響している場合もあります。
登校頻度が少ない通信制の学校、フリースクールを検討するなど、本人の情緒が安定する環境作りが重要です。
5.意図的な拒否による不登校
学校に行くことに意義を感じず、自分の意志で不登校を選択するケースです。
学ぶことへの意欲は高く、目標がはっきりしている場合も多いため、学校以外の学習・教育手段を検討することも選択肢となります。
6.複合的な理由にによる不登校
継続的な不登校の理由が複合しているケースです。
複合型は、1人1人によって異なった要因が絡み合っているため、家庭や学校での様子を観察し、本人の状態を総合的に把握することが大切です。
不登校の背景は人によって様々で、上記6つのどれにも当てはまらなかったり、複合的で原因の判断が困難なケースが多いです。
原因を追究することが本人の負担となることも十分に考えられるため、上記6つのタイプは参考程度にとどめ、まずは周りでサポートする側が落ち着いて状況を受け入れることが大事かと思います。
不登校支援
自分自身や身近な人が不登校となった場合、どこに助けを求めれば良いのでしょうか?
不登校支援を行っている先についていくつか紹介いたします。
教育支援センター
主に小中学校を長期で休んでいる子どものために、学籍のある学校とは別の場所に教育委員会等が用意した公的機関です。
スクールソーシャルワーカー
不登校の子どもや家族を支援する専門家です。
具体的には、面談等を行い、子どもが学校に行けるようになるためのサポート、もしくは、その他社会資源の情報の提供をします。
心療内科・精神科
うつ病や不安障害など、精神疾患が不登校の原因となっている場合、治療を行うことが出来ます。
薬物療法や心理療法など、様々な治療法があります。
子ども家庭支援センター
子どもや家族が抱える様々な問題に対して、専門的な支援を行う機関です。
子どもに関わる全ての人が利用可能で、子ども本人が直接相談することも出来ます。
フリースクール
不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設です。
「不登校の子どもたちの居場所」という役割を果たしており、様々な規模や形態のフリースクールが存在します。
不登校の子どもたちにとって社会との接点をもつ場所であり、ソーシャルスキルのトレーニングの場ともなっています。
まとめ
今回紹介した内容は、不登校を理解するためのほんの一部の情報に過ぎません。
今回の内容を知ったからといって、今すぐ何か大きなアクションを起こせるわけではないかもしれません。
ですが、少しでも不登校について知っていれば、自分が、身の回りの大切な人が不登校で苦しんでいるとき、助けを求めたり、手を差し伸べることが出来るかもしれません。
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